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源泉湯宿 源泉の湯と温泉文化の守り主

奥塩原新湯温泉 渓雲閣

奥塩原新湯温泉 渓雲閣
 塩原温泉郷は高原山(たかはらやま)の北側山麓を東に向かって流れる箒川沿いに発展した温泉地。東西約10km程の間に下流側の大綱、福渡から、上流側の上塩原、元湯まで泉質の異なる11箇所の温泉地があり塩原11湯と呼ばれている。温泉の発見は古く、平安時代初期の大同元年(806)に元湯が発見されたという。渓雲閣は塩原温泉郷の一つ奥塩原新湯温泉の湯宿である。
 先の岩手・宮城内陸地震のような、地震による温泉地の被害は今に始まったことではない。元湯は江戸時代初期の慶長16年(1611)以降の約70年間に起きた度重なる大地震で大きな被害を受けたという。万治2年(1659)の大地震では、元湯千軒と呼ばれるほど賑わっていた元湯は山津波による被害を受け、天和3年(1683)に再び起きた大地震で元湯は廃村となり、村人は新湯などに移住した(「塩原の里物語」による)。
 新湯(あらゆ)とは、地震で廃村となった元湯の住民が新しく開いた湯という意味で、今では塩原温泉の奥ということから奥塩原新湯温泉と呼ぶ。渓雲閣は新湯で300年も続く古くからの宿で、以前は湯治の宿も兼ねていた。塩原温泉郷から鬼怒川温泉を経て日光に至る有料道路・日塩もみじラインの際に建っている。道路から見ると建物は平屋造りに見えるが、実は斜面に建っ3階建てで、道路に面する玄関ロビーが3階に当たる。
 温泉は宿の前を走る道路を隔てた対面の奥で硫気活動を続け、「新湯爆裂噴火跡」の記念碑が建つ噴気地帯から引湯されている。塩原温泉郷におけるこの噴気地帯の存在は、高原山が活火山であることの証の一つなのだ。徒や疎かにはできない。
 源泉は共有で、湧出地における温度79.2℃、湧出量は200 g/分程で数軒で分け合っている。湧出時のpHは2.6で可なり酸性が強い。硫化水素ガスの溶存量は多く55.4mg/kgで、それを合わせた溶存成分の総計は414.mg/kgである。この三つの要素が泉質分類に反映するので療養泉の泉質名は単純酸性硫黄温泉(硫化水素型)となる。温泉に溶けた硫化水素が引湯の間に酸化されてコロイド硫黄を形成するので浴槽がうっすらと乳白色を呈するが、この温泉が溢れる一階の展望大浴場では谷の向こう側の景色が、大きなカンバスに描いたように湯面に映るので絵の中にいるような爽快な気分になる。
所在地 〒329-2922 栃木県那須塩原市湯本塩原37   電話0287-32-2361
温泉の歴史 江戸時代初期、万治2年の大地震による地滑りのため、元湯千軒といわれ栄えていた元湯温泉が埋没してしまいました。住民は神社仏閣とともに元湯より現在の新湯(荒湯・あらゆ)に引っ越してきて、新湯噴火口の温泉を利用して温泉地を開きました。温泉は通称・硫黄泉で塩原温泉では元湯、新湯の二箇所です。
源 泉 【源泉名】 共同噴気泉(なかの湯)
【源泉所有者】 共有(なかの湯源泉採取者代表新湯区長)
【湧出地】 栃木県那須塩原市湯本塩原字前黒国有林104ロ1林小班
【源泉の種類】 自然流出
温泉湧出現況と引湯方法 【湧出状況】 自然湧出
【温度】 79.2℃(測定年月日 平成5年7月7日)
【湧出量】 200g/分
【貯湯タンク】 有・源泉脇(4リッポウメートル)および施設脇(2.1リッポウメートル)
【引湯方法】 (自然落差・引湯距離200m)自然湧出した温泉を源泉脇のタンクに入れ、自然の落差で施設内の貯湯タンクに入れて各風呂に引湯している
【温泉の温度の調節方法】 貯湯タンクに二度落とし、引湯の間の温度の低下、湯口での分湯の量で調節する
温泉分析書および泉質名 【温泉分析書の分析年月日】 平成5年7月7日 (湧出地の試験)
【分析機関名/分析者】 (社)栃木県薬剤師会
【温度】 79.2℃
【湧出量】 -g/分
【湧出地におけるpH】 2.6
【試験室におけるpH】 2.82
【知覚的試験】 (湧出地)無色澄明で強い硫化水素および酸味、苦味を有す
【蒸発残留物】 440.1mg/kg
【密度】 0.9987(20℃)
【溶存物質(ガス性のものを除く)】 359.mg/kg
【成分総計】 414.mg/kg
【密度】 0.9998(20℃) 【療養泉の泉質名】 単純酸性硫黄温泉(硫化水素型)
【液性等による分類】 低張性酸性高温泉
陽イオン(試料1kg中の分量) 陰イオン(試料1kg中の分量)
水素イオン
ナトリウムイオン
カリウムイオン
マグネシウムイオン
カルシウムイオン
アルミニウムイオン
マンガンイオン
鉄(U)イオン
2.5
4.8
1.7
2.5
6.3
8.8
0.1
1.4
フッ素イオン
塩素イオン
硫化水素イオン
ヒドロ硫酸イオン
硫酸イオン
炭酸水素イオン
-
10.7
-
17.9
211.7
陽イオン 計 28.3 陰イオン 計 240.3
遊離成分 (mg/kg) 溶存ガス成分 (mg/kg)
メタケイ酸
メタホウ酸
硫酸
89.8
0.2
0.1
二酸化炭素
硫化水素
0.0
55.4
非解離成分計 90.1 溶存ガス成分計 55.4
亜鉛(0.1mg/kg)の表記は省略した。
定員および温泉利用量 【宿泊定員数】 46人
【客室数】 18部屋(源泉湯宿基準の定員数算出法:1人/4畳(主客室))
【温泉総利用量】 40g/分
【定員1人当たりの温泉量】 0.9g/分/人
給湯方式等の利用現況
および浴場の状況
【給湯および利用方法】 源泉掛け流し
【浴場の数】 男湯:1 女湯:1 露天風呂:2
男湯 女湯 露天風呂 露天風呂
名称 たぬき湯 たぬき湯 たぬき冥利の湯
浴槽面積(m2) 7.4 7.4 2.8 2.8
浴槽体積(m3) 3.8 3.8 1.7 1.7
給湯量(g/分) 15 15 10
給湯温度(℃) 48. 48. 48.
換水回数(回/日) 1 1 1 1
【加水(冷却用)・加熱等の有無】 なし
【浴槽水の循環利用・ろ過・滅菌等の有無】 なし
【浴槽の清掃について】 1日に1回換水、換水時に掃除
備考 【調査表記入年月日】 平成17年2月26日

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