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源泉湯宿 源泉の湯と温泉文化の守り主

下部温泉郷 古湯坊 源泉館

下部温泉郷 古湯坊 源泉館
 JR東海・身延線下部温泉駅から約1.5km東、下部川(湯川ともいう)に架かる神泉橋を中心に下部の温泉街が発展している。源泉館の温泉は、神泉橋の正面に見える熊野神社の鳥居右脇に建てられた、源泉館別館「神泉」地下の岩盤を穿った浴槽中に湧出している。これこそが戦国の武将・甲斐の武田信玄公が戦いで傷ついた将兵や、自らの傷を癒やしたといわれる温泉。今では「信玄公の隠し湯」として広く世に知られている。浴室入口に、信玄公から賜った土地・浴場の免許状が掲げてある。これは必見の価値がある。
 ところで、日本列島は本州中部で「逆くの字」形に屈曲しているが、明治18年にドイツ人のE.ナウマンは、この日本を東北と西南に区分する大地溝帯をフォッサマグナと呼んだ。今では甲府盆地以南を南部フォッサマグナと呼ぶが、その地溝帯に湧出する温泉の一つが下部温泉。泉源は下部川の谷に露出する富士川層群(中新世後期〜鮮新世の海成層)、下部累層の凝灰質砂岩と泥岩の互層で、それらの地層面や亀裂を通って温泉が湧出している(山梨県地誌、山梨県・山梨県地質図編纂委員会編、1970)。明治19年(1886)刊行の日本鉱泉誌には、「下部鉱泉」が次のように書かれている。「○泉質 不詳 温度 九十一度(摂氏32.7度) ○位置景況 群山環匝(かんそう)中ニ在リテ東ニ河流ヲ帯ビ西北ハ直ニ山麓ニ接ス浴楼アリ其屋背巨岩ノ間ヨリ源泉涌出シ常ニ槽中に盈溢(えいいつ)ス(以下省略)」
 神泉橋周辺に湧出する下部温泉の特徴はその温度の低さで、源泉館の温泉分析書に記された泉温は29.6℃。山梨県地質誌による昭和初期以降の分析結果のまとめでは、温度はおおむね30〜32℃となているので、明治の頃から温泉に大きな変化はなく、大切に保全されているようだ。長い利用の経験から、泉温の低さを有効に生かした下部温泉特有の入浴法が編み出され今に続いている。その魅力を求めて源泉館を訪れる浴客は多い。
所在地 〒409-2942 山梨県南巨摩郡身延町下部45番地   電話:0556-36-0101
温泉の歴史 1200年前より岩盤から温泉が自然湧出している。信玄公が川中島の合戦で肩に刀傷を受け、自らここの岩風呂で癒したといわれている。
源 泉 【源泉名】 神泉
【源泉所有者】 (自己所有)石部 尚
【管轄保健所】 身延保健所
【湧出地】 山梨県南巨摩郡身延町下部36番地
【源泉の種類】 自然湧出
温泉湧出現況と引湯方法 【湧出状況】 自然湧出
【温度】29.6℃ (測定年月日 平成16年8月11日)
【湧出量】 約415g/分
【貯湯タンク】 なし
【引湯方法】 温泉が湧出する深く抉られた岩盤そのものが浴槽になっている
温泉分析書および泉質名 【温泉分析書の分析年月日】 平成16年8月11日(現地調査)
【分析機関名/分析者】 株式会社 山梨県環境科学検査センター/小沢一昭
【温度】 29.6℃(気温29℃)
【湧出量】 約415g/分
【湧出地におけるpH】 8.0
【試験室におけるpH】 8.12
【ラドン(Rn)】 8.98×10-10Ci/kg
【蒸発残留物】 451 mg/kg
【密度】 0.9987( 20℃ )
【知覚的試験】 無色澄明、無味、無臭
【溶存物質(ガス性のものを除く)】 0.442mg/kg
【成分総計】 0.470mg/kg
【導電率(25℃)】 686 μS/cm
【療養泉の泉質名】 単純温泉
【浸透圧・液性・泉温による分類】 低張性弱アルカリ性低温泉
陽イオン(試料1kg中の分量) 陰イオン(試料1kg中の分量)
ナトリウムイオン
カリウムイオン
アンモニウムイオン
マグネシウムイオン
カルシウムイオン
ストロンチウムイオン
鉄(U)イオン
74.0
0.6
0.2
0.4
57.1
0.1
0.1
フッ素イオン
塩素イオン
硫酸イオン
炭酸水素イオン
0.2
60.9
189.2
23.9
陽イオン 計 132.9 陰イオン 計 274.2
遊離成分 (mg/kg) 溶存ガス成分 (mg/kg)
メタケイ酸
メタホウ酸
31.5
2.9
二酸化炭素
硫化水素
28.1
非解離成分計 34.4 溶存ガス成分計 28.1
カドミウムイオン等の微量成分の記載は省略した。
定員および温泉利用量 【宿泊定員数】 55人
【客室数】 30部屋(源泉湯宿基準の定員数算出法:1人/4畳(主客室))
【温泉総利用量】 415g/分
【定員1人当たりの温泉量】 7.5g/分/人
給湯方式等の利用現況
および浴場の状況
【給湯および利用方法】 岩盤の亀裂から湧出する全ての温泉が浴槽を満たしている。
【浴場の数】 1
大岩風呂
名称 信玄公かくし湯
浴槽面積(m2) 24
浴槽体積(m3) 16.8
給湯量(g/分) 415.
給湯温度(℃) 29.6
換水回数(回/日) 1
(注)浴室上段の入口近くに、体を温めるため等に利用する温かな「上り湯」が設えてある。
【加水(冷却用)・加熱等の有無】 なし
【浴槽水の循環利用・ろ過・滅菌等の有無】 なし
【浴槽の清掃について】 毎日22時より換水、清掃
備考 【調査表記入年月日】 平成16年10月25日

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