HOME > 会員宿一覧 > 嵯峨沢温泉 湯宿嵯峨沢館
源泉湯宿 源泉の湯と温泉文化の守り主

嵯峨沢温泉 湯宿 嵯峨沢館

嵯峨沢温泉 湯宿 嵯峨沢館
 伊豆は正真正銘・温泉半島である。伊豆の東海岸には箱根から湯河原ー熱海ー伊東ー熱川等々があり、箱根を越えて三島から狩野川を遡れば北端の伊豆長岡から天城山系に連なる数々の温泉地を経て南端の下賀茂まで温泉地は切れ間がない。私は箱根湯本を研究拠点として、主に箱根・湯河原火山の温泉の研究を続け、昭和45年(1970)に「大木・平野の箱根温泉の成因モデル」と呼ばれる火山性温泉の成因モデルを発表して、多くの方から支持された。それは今でも続いている。
 伊豆半島の温泉も魅力的な研究対象だった。研究は、箱根に次いで湯河原、熱海、網代など東海岸の温泉を手がける一方で、伊豆長岡から修善寺、月ヶ瀬、嵯峨沢、湯ケ島から天城を越えて湯ヶ野、峰まで範囲を広げたのだ。この地域の基盤をなす湯ケ島層群・新第三紀中新世の地層中の温泉である。その際、嵯峨沢館の温泉も分析したが、記憶をたよりに書庫を探したら、昭和48(1973)年11月13〜14日にかけて行った修善寺から湯ヶ野周辺までの調査記録が見つかった。当時の嵯峨沢館の源泉は掘削深度が浅く、溶存成分は1000mg/kg以下の単純温泉だったが、その陽イオンの主成分はナトリウムイオン、陰イオンは硫酸イオンで芒硝泉タイプ。狩野川の橋を超えた向こう側の湯ケ島温泉の泉質は陽イオンの主成分がカルシウム、副成分がナトリウムでカルシウム・ナトリウムー硫酸塩泉(含芒硝ー石膏泉)という違いがある。以来、その組成の違いの解明は研究課題の一つになった。
 現在の嵯峨沢館では、平成9年に新たな掘削で湧出した毎分280リットルの温泉が、館内の数多くの浴槽に掛け流されている。温泉の主成分はナトリウムイオンと硫酸イオンで泉質名はナトリウムー硫酸塩泉、旧泉質名では芒硝泉。「芒硝」は実は由緒正しい薬名である。芒硝泉という呼称のルーツをたどると、天平時代に造営された正倉院の「種々薬帳」に記された生薬名の「芒消(ぼうしょう)」に行き着く。「名医別録」によると、「五臓の積聚、久熱胃閉を治す」などの薬効があり、整腸作用が特に優れているという(正倉院薬物の世界、鳥越泰義、平凡社新書)。古来、温泉は薬。宿の庭先を流れる狩野川の瀬音が癒し効果を一層引き立たせるに違いない。伊豆は薬湯の癒しの半島でもあるのだ。
所在地 〒410-3209  静岡県伊豆市門野原400-1   電話:0558-85-0115
温泉の歴史 昭和3年9月開業、自然湧出源泉3本所有。昭和33年9月の狩野川台風で全館流出、その後源泉2本、10室で営業再開。昭和42年に全20室に増築。その後も増改築 を続け、平成9年4月より新たな新嵯峨沢温泉湧出により総ての浴槽を源泉かけ流しとした。
源 泉 【源泉名】 新嵯峨沢8号
【源泉所有者】 自己所有(温泉台帳番号)543−8号
【湧出地】 静岡県伊豆市門野原字坂下402-6
【源泉の種類】 掘削井
【井孔の深さ】 504m
【静水位】 19.7m (平成和9年4月8日)
温泉湧出現況と引湯方法 【湧出状況】 動力揚湯
【動力およびポンプの種類・型式】 グルンドフォス社製7.5kw型式SP16-16水中モーターポンプ
【温度】 61.7℃ ( 測定年月日 平成9年3月27日)
【湧出量】 280g/分(動水位47m)(知事の許可量・280g/分)
【貯湯タンク】 有
【引湯方法】 源泉の水中モーターポンプによる圧送
【温泉の温度の調節方法】 源泉及び引湯管を季節に応じ保温材で被覆したり外したりして調節する
温泉分析書および泉質名 【温泉分析書の分析年月日】 平成9年3月27日
【分析機関名/分析者】 (財)静岡県生活科学検査センター
【温度】 61.7℃
【湧出量】 280g/分
【湧出地におけるpH】 8.4
【蒸発残留物】 1098mg/kg
【溶存物質(ガス性のものを除く)】 1070 mg/kg
【成分総計】 1070 mg/kg
【導電率(25℃)】 ー μS/cm
【療養泉の泉質名】 ナトリウムー硫酸塩温泉(旧泉質名 芒硝泉)
【液性等による分類】 低張性弱アルカリ性高温泉
陽イオン(試料1kg中の分量) 陰イオン(試料1kg中の分量)
イオン成分  ミリグラム(mg) イオン成分 ミリグラム(mg)
ナトリウムイオン
カリウムイオン
マグネシウムイオン
カルシウムイオン
アルミニウムイオン
255.6
19.8
0.1
51.6
0.2
塩素イオン
硫酸イオン
炭酸水素イオン
炭酸イオン
63.1
583.0
27.6
6.0
陽イオン 計 327.3 陰イオン 計 679.8
遊離成分 (mg/kg) 溶存ガス成分 (mg/kg)
メタケイ酸
メタホウ酸
59.8
2.7
二酸化炭素
硫化水素
-
-
非解離成分計 62.7 溶存ガス成分計 -
メタ亜ヒ酸(0.2mg/kg)及び他の微量成分の表記は省略した。
定員および温泉利用量 【宿泊定員数】 100人
【客室数】 31部屋(源泉湯宿基準の定員数算出法:1人/4畳(主客室))
【温泉総利用量】 280g/分
【定員1人当たりの温泉量】 約2.8g/分/人
給湯方式等の利用現況
および浴場の状況
【給湯および利用方法】 源泉掛け流し。
【浴場の数】 男湯:2 女湯:2 露天風呂:4 家族風呂:4
浴場種別 男 湯 女 湯 露天風呂 露天風呂 露天風呂 露天風呂
名称 渓流の湯 せせらぎの湯 川の湯(男) 川の湯(女) 花酔の湯 寝覚の湯
浴槽面積 38.28 15.15 19.61 19.52 6.62 17.49
浴槽体積 21.48 8.48 11.17 10.93 3.63 8.75
換水回数 1 1 1 1 1 1
*単位:浴槽面積:m2、浴槽体積:m3、給湯量:g/分、
給湯温度:℃、換水回数:回/日
【加水(冷却用)・加熱等の有無】 なし
【浴槽水の循環利用・ろ過・滅菌等の有無】 なし
【浴槽の清掃について】 1日1回換水、換水時に清掃。
備考 【調査表記入年月日】 平成16年10月4日

ページの先頭へ
©Copyright 日本源泉湯宿を守る会 -All rights reserved-