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源泉湯宿 源泉の湯と温泉文化の守り主

元湯甲子温泉 旅館大黒屋

元湯甲子温泉 旅館大黒屋
 甲子温泉・大黒屋は阿武隈川の源流域に建つ一軒宿。その本館の玄関を出て、長屋門のような白河藩主・松平定信公の別荘だった勝花亭の門を潜って川岸に下りると、ほとばしる阿武隈川の流れが花崗岩の谷を深く刻んでいる。本流は支流の白水沢が合流する地点で直角に向きを変えるが、合流点の切り立つ岸辺の突端に1号源泉が掘削されている。深さ100m、ごく浅い温泉井。しかも、それが花崗岩からなる地層中の掘削で、温泉の温度は45.8℃、浅井戸用の水中ポンプによる実際の揚湯量は毎分500リットル。その内の370リットルほどは下流の新甲子温泉に給湯されているという。すごい温泉が湧き出ている。
 詳しく調べたわけではないが、この辺りの花崗岩の貫入は白亜紀後期、一億年前まで遡るはずである。だからこの地質での45.8℃の泉温や毎分500リットの揚湯量は、これまで私が経験したことのないすごい数値に思えるのだ。驚きは、これだけではない。この1号源泉はポンプを停止すると温泉が自噴し出すというし、対岸の15m程先に掘られた深さ80mの2号源泉は現に温泉が自噴している。しかも、その量は毎分260リットル。
 1号源泉の泉質はカルシウム・ナトリウムー硫酸塩温泉、溶存物質(ガス性のものを除く)1066mg/kg。成分は緩下剤に似る。この温泉は100mほど引湯され、旅館の本館前左手に建てられた内風呂・恵比寿の湯で利用されている。自噴している2号源泉の泉質は単純温泉。溶存物質(ガス性のものを除く)959.7mg/kg。あと40mg/kgで1号源泉と同じカルシウム・ナトリウムー硫酸塩温泉となる。この自噴泉が大黒屋の湯を特徴づける、立って肩ほどまで浸かる深さの大岩風呂を満たしている。その透明度がすごい。風呂の底まで透けて見える。板壁に架かる大黒屋の由来や古い分析表等を眺めて、しばし温泉の湧出機構に思いを廻らせた。
所在地 〒961-8071 福島県西白河郡西郷村大字真船字寺平1 電話:0248-36-2301
温泉の歴史 至徳年間(1384)州安和尚によって発見された。甲子(きのえね)の年であったために、甲子(かっし)温泉と名付けられたと伝えられている。
源 泉 【源泉名】 元湯甲子温泉1号源泉および元湯甲子温泉2号源泉を所有
【源泉所有者】 自己所有
【湧出地】 (1号)福島県西白河郡西郷村大字鶴生字甲子山1-3、(2号)同字江森山1
【井孔の深さ】 (1号)100m、(2号)80m
【静水位】 (1号)ポンプ停止時自噴
【源泉の種類】 掘削井
温泉湧出現況と引湯方法 【湧出状況】(1号)動力揚湯、(2号)掘削自噴
【動力およびポンプの種類・型式】 (1号)ボアホールポンプBHP-5D 、(2号)自噴
【温度】(1号)45.8℃(測定年月日 平成16年6月14日)、(2号)45.1℃(測定年月日 平成17年4月11日)
【湧出量】 (1号)120g/分、(2号)260g/分
【貯湯タンク】 (1号)有り、(2号)なし
【引湯方法】 (1号)ポンプ利用、引湯距離100m (2号)自然落差、引湯距離40m
【温泉の温泉の調節方法】 なし
温泉分析書および泉質名 【温泉分析書の分析年月日】 (1号源泉)平成16年6月14日
【分析機関名/分析者】 株式会社・新環境分析センター
【温度】 45.8℃(気温20.℃)
【湧出量】 120g/分
【採取場所におけるpH】 7.6
【試験室におけるpH】 7.7
【蒸発残留物】 1020.mg/kg
【密度】 0.9992(20℃)
【知覚的試験】 無色澄明、無味無臭である
【溶存物質(ガス性のものを除く)】 1066.mg/kg
【成分総計】 1083.mg/kg
【導電率(25℃)】 ー uS/cm
【療養泉の泉質名】 カルシウム・ナトリウムー硫酸塩温泉(旧泉質名 含芒硝ー石膏泉)
【液性等による分類】 低張性弱アルカリ性高温泉
陽イオン(試料1kg中の分量) 陰イオン(試料1kg中の分量)
リチウムイオン
ナトリウムイオン
カリウムイオン
アンモニウムイオン
マグネシウムイオン
カルシウムイオン
ストロンチウムイオン
0.1
92.4
3.9
0.2
0.9
217.0
0.6
フッ素イオン
塩素イオン
硫化水素イオン
硫酸イオン
リン酸−水素イオン
炭酸水素イオン
1.9
3.6
0.0
634.3
0.0
85.1
陽イオン 計 315.1 陰イオン 計 724.9
遊離成分 (mg/kg) 溶存ガス成分 (mg/kg)
メタケイ酸
メタホウ酸
23.7
2.3
二酸化炭素
硫化水素
16.5
0.0
非解離成分計 25.0 溶存ガス成分計 16.5
総ヒ素(0.034mg/kg)他の微量成分等の表記は省略した。
定員および温泉利用量 【宿泊定員数】 60人   【客室数】 16部屋(源泉湯宿基準の定員数算出法:1人/4畳(主客室))
【温泉総利用量】 300g/分(1号及び2号源泉の利用量)
【定員1人当たりの温泉量】 約6g/分/人
給湯方式等の利用現況
および浴場の状況
【給湯および利用方法】 大岩風呂・婦人風呂(2号源泉)、恵比寿の湯・露天風呂(1号源泉)、源泉掛け流し
【浴場の数】 男湯 1 女湯 2 露天風呂 2 混浴 1
浴場種別 男 湯 女 湯 露天風呂 露天風呂 混 浴 女 湯
名称 恵比寿 恵比寿 恵比寿 恵比寿 大岩風呂 婦人風呂
浴槽面積 10 10 6 5 50 8
浴槽体積 6 6 3.6 3 50 8
給湯量 30 30 20 20 120 80
給湯温度 45.8 45.8 45.8 45.8 44.2 44.2
換水回数 1 1 1 1 1 1
*単位:浴槽面積:m2、浴槽体積:m3、給湯量:g/分、
給湯温度:℃、換水回数:回/日
【加水(冷却用)・加熱等の有無】 なし
【浴槽水の循環利用・ろ過・滅菌等の有無】 なし
【浴槽の清掃について】 1日1回換水・換水時に清掃している。
備考 【調査表記入年月日】 平成16年11月8日

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