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源泉湯宿 源泉の湯と温泉文化の守り主

福地温泉 元湯 孫九郎

岐阜県 福地温泉 元湯 孫九郎
 岐阜県・奥飛騨温泉郷。市町村合併で高山市となったが、北アルプス南端の穂高岳や火山活動を続ける焼岳の西側に点在する平湯、福地、新平湯、栃尾、新穂高の各温泉地を総称してこう呼んでいる。その内の一つ、福地温泉は焼岳の西方約5.5km、平湯川の左岸を走る道路に沿って温泉街が延びている。平安時代に村上天皇(946年即位)が湯治に訪れた謂われが残るとはいえ、温泉地としての歴史は略40年、今がまさに壮年期。
 昭和43〜44年にかけて、代々の家業である農業の後継者としての宿命を負った3人の青年が、一念奮起して立ち上げたのが福地温泉の始まりである。当初は、現在の長座、隠庵ひだ路、孫九郎の3軒でのスタートであった。今では14軒に増えている。
 福地温泉の最初の3軒の内の一つである孫九郎で、去る9月13日に源泉湯宿を守る会の第5回現地見学会が開かれた。会員宿の温泉利用方法、すなわち泉源から湧出する温泉が給湯施設を経て浴槽に達するまでを、実際に現地で見学するのである。
 孫九郎の温泉利用は、活火山の焼岳を背にする福地温泉ならではの潤沢さである。何れも、ボーリングによる掘削井だが、源泉名に「帝の湯」を冠した2、4、5号泉の3源泉を所有し、水中モーターポンプで揚湯される温泉の総量は毎分600リットルに達する。温度が最も高い井孔が4号泉で81.8℃、泉質はナトリウムー炭酸水素塩温泉、旧泉質名なら重曹泉である。しかし、二酸化炭素(炭酸ガス)を354.4mg/kg含んでいるので、pHは6.5。
 火山性温泉の範疇の温泉として、この泉質は可成り希少な存在だと思う。この温泉の特質を損なうことなく、孫九郎は見事に生かしている。81.8℃で湧出する温泉を、入浴に適する温度にするために、プレート式熱交換器を4台利用して調節しているのだ。加水しない温泉のすばらしさを、是非体験してみて欲しい。
所在地 〒506-1434  岐阜県高山市奥飛騨温泉郷福地1005番地   電話0578-89-2231
温泉の歴史 古くは平安時代に村上天皇が療養したといい伝えが残る古い温泉地。開発は主に昭和40年代より始まり、ボーリングによる掘削自噴やポンプでの揚湯等の源泉がある。
源 泉 【源泉名】 帝の湯2号泉、帝の湯4号泉、帝の湯5号泉の3源泉を所有
【源泉所有者】 自己所有    (温泉台帳番号)第75−18号
【湧出地】 岐阜県高山市奥飛騨温泉郷一重ケ根字松戸2494-63、他
【源泉の種類】 掘削井
【井孔の深さ】 (2号)220m、(4号)290m、(5号)300m
【静水位】 (2号)10m、(4号)10m、(5号)15m
温泉湧出現況と引湯方法 【湧出状況】 (帝の湯4号泉)動力揚湯
【動力およびポンプの種類・型式】 荏原水中モーターポンプ 7.5kw使用
【温度】 81.8℃(測定年月日 平成16年9月27日)
【湧出量】 (4号)202g/分、他に(2号)150g/分、(5号)250g/分がある
【貯湯タンク】 無
【引湯方法】 ポンプ利用、引湯距離146m
【温泉の温度の調節方法】 プレート式熱交換器を4台利用して適温に調節している
温泉分析書および泉質名 【温泉分析書の分析年月日】 (帝の湯4号泉)平成16年9月8日
【分析機関名/分析者】 (社)長野県薬剤師会 検査センター 黒岩直樹
【温度】 42.9℃(湧出温度81.8℃を調節した内湯湯口)(気温24.℃)
【湧出量】 (源泉)202g/分、(試験湯口・内風呂)93g/分
【採取場所におけるpH】 6.5
【試験室におけるpH】 6.44
【蒸発残留物】 904g/kg
【密度】 1.0010(20℃)
【知覚的試験】 ほとんど無色澄明、炭酸味・鉄味、微硫化水素臭を有す。
【溶存物質(ガス性のものを除く)】 1302.mg/kg
【成分総計】 1656.mg/kg
【導電率(25℃)】 − μS/cm
【療養泉の泉質名】 ナトリウムー炭酸水素塩温泉(旧泉質名 重曹泉)
【液性・浸透圧・泉温による分類】 低張性中性高温泉
陽イオン(試料1kg中の分量) 陰イオン(試料1kg中の分量)
イオン成分  ミリグラム(mg) イオン成分 ミリグラム(mg)
リチウムイオン
ナトリウムイオン
カリウムイオン
マグネシウムイオン
カルシウムイオン
ストロンチウムイオン
鉄(U)イオン
1.1
248.6
23.2
10.4
32.5
1.0
0.4
フッ素イオン
塩素イオン
硫化水素イオン
硫酸イオン
リン酸二水素イオン
炭酸水素イオン
1.4
60.1
0.06
18.0
0.1
713.9
陽イオン 計 317.4 陰イオン 計 793.6
遊離成分 ミリグラム(mg) 溶存ガス成分 ミリグラム(mg)
メタケイ酸
メタホウ酸
171.4
19.3
二酸化炭素
硫化水素
354.4
0.2
非解離成分 計 190.7 溶存ガス成分 計 354.6
*他の微量成分等の表記は省略した。
定員および温泉利用量 【宿泊定員数】 86人
【客室数】 31部屋(源泉湯宿基準の定員数算出法:1人/4畳(主客室))
【温泉総利用量】 600g/分(帝の湯2号、4号、5号泉の合計)
【定員1人当たりの温泉量】 6.9g/分/人
給湯方式等の利用現況
および浴場の状況
【給湯および利用方法】 源泉掛け流し。
【浴場の数】 男湯:1 女湯:1 露天風呂:2 貸切風呂:1 貸切露天風呂:1
浴場種別 男 湯 女 湯 露天風呂1 露天風呂2 貸切風呂 貸切露天
風呂
名称 内湯 内湯 帝の湯 白帝の湯 貸切内湯
浴槽面積 10.0 10.0 28. 25. 1.2 5.
浴槽体積 5.5 5.5 16.8 15. 0.66 2.75
給湯量 75. 75. 180. 180. 13. 30.
給湯温度 43〜44 43〜44 44〜49 44〜49 43〜44 45〜49
換水回数 1 1 1/2 1/2 1 1/2
*単位:浴槽面積:m2、浴槽体積:m3、給湯量:g/分、
給湯温度:℃、換水回数:回/日
【加水(冷却用)・加熱等の有無】 なし
【浴槽水の循環利用・ろ過・滅菌等の有無】 なし
【浴槽の清掃について】 内湯、貸切内湯は1日1回換水、帝の湯、白帝の湯等は2日に1回換水。換水時に清掃している。
備考 【調査表記入年月日】 平成年月日

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